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キャリア集大成の傑作完成!
早くも今年のベスト10に入りそうなアルバムに出会ってしまいました。ニール・カサールの最新作です。シンガー・ソングライターとして、またここ数年はライアン“気まぐれ”アダムスの右腕として、バック・バンド=Cardinalsの中心を担っていたニール。キャリア最高傑作の登場!!と、大袈裟にぶちあげてみたくもなります。

これまでも「いい曲」を書く人でした。が、今回はさらに丁寧できめ細やかな曲作りと、曲を活かすアレンジが印象的なのです。決して大仰ではなく、けれども、地味でしょぼい風でもない。適材適所で鳴る音は、聴く者のツボを心得ており、気持ちよく身体になじむのです。言うなれば、ルーツ系シンガー・ソングライターの正統派作品なのですが、正統派だからこそここで個性を発揮するのは簡単なことではありません。が、えも言われぬロマンチシズムを漂わせながら、今回のニールは個性発揮に成功していると言っていいでしょう。ちょっぴりナルシスト入った歌も、なんだか微笑ましいのでありました。

必聴。4月〜5月には来日公演もございます!!





悲しい時に見せる笑顔

10月22日発売(輸入盤10月7日)
悲しい、辛い。でも、それをグッと心の奥に秘めて微笑んでみる。レイチェルの歌を聴きながら、私はそんな状況を想像し、たまらなくなる。

基本的に情念むき出し系の女性シンガーは、あまり好きになれない。初めてレイチェルを観たのは、SXSWのステージだったが、彼女はそこで泣きながら歌っていた。後日「なぜ、泣いていたの?」と尋ねたら、「あの時はねぇ、なんだか泣けてきちゃったのよー。いろんなこと思い出して。あははっ!」と笑い飛ばした。あの「あははっ!」に救われた思いがした。が、話をしていると、どうやら魔性系の彼女、結構なドロ沼恋愛経験もあるらしい。そんなこんなをあけすけに話しちゃうのも、レイチェル流なのだろう。人のせいにしないところにも好感が持てた。情念系の人は大抵、人のせいにしたがるものだ。

4年ぶりとなるセカンド作。これはもう、たいした大作である。入魂の1枚、と呼ぶべきか。本国では2枚組ーー日本は1枚の独自仕様。アーティストの意向がきちんと汲まれている事を望みたいーーになる本作。ズッシリとした重量感。1度足をすくわれたら元には戻れそうにない沼地を進むがごとく、気持ちがとらわれてしまう。それでいて、ここから抜け出したい!と思わないのは、ストリングスやピアノ等様々な音色がエレガントに重なりあうオーケストレーションの優美な響きに浸っていたいと思うからだし、レイチェル自身が感情過多になっていないからだろう。彼女のスモーキー・ヴォイスは、意外にも、オーケストラのサウンドにマッチする。しかもだ、こんなにも濃密な音世界でありながら、聴き手の居場所をちゃんと作ってくれている。 後半ガラリと雰囲気を変えて来るあたりもスリリングでわくわくする。マイク・モギス、やるなぁ!



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