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| pic by 武正興( www.fotologue.jp/masakitake) |
久しぶりの日本帰国。夏に帰ったのは5年ぶりなのだから、『今年の夏は暑い』などと言われても比較の対象は忘れるくらい遠い昔。とにかく「暑い!」という感想しか残らなかった。仕事で帰った関係上、外で過ごす時間が長かったのだが、帰宅ラッシュなどで乗る満員電車、高いビルに囲まれ風が一向に吹かない路地、あらゆる角度から突き刺さる紫外線には散々痛めつけられた。Cool Bizは良い取り組みとしても、その効果は気休めにも感じられず、汗腺器官が凄まじい速さで働いているのを感じる毎日だった。
ホテルとアポイント場所が近い場合、ホテル→待ち合わせオフィス→ホテル(シャワー)→待ち合わせオフィスを繰り返さないと気持ち悪くて話もできないほど汗が体中からあふれ出ていた。そしてこんなに汗をかくのも5年ぶりなので、いくら「汗をかくと健康にいい!」と言われても、『限度を超えたらまずいだろ!』と思い、内心ドキドキしていた。あんなにハンカチを活用したことはなかったし、あんなにハンカチがぬれたこともなかった。
3週間ぶりに戻ったトロントの風は、心地よいと呼ぶに相応しいものだった。足、肌の地肌が出ている箇所を柔らかい風がかすめていった。そしてこの風が、安らぎもくれた。一睡もできなかった12時間のフライトによる時差ぼけも、オンタリオ湖から運ばれてくるこの軽やかな風で解消されるような錯覚を覚えるほど気持ちのいい風が迎え入れてくれた。
『きもちぃぃ〜〜!!』到着ロビーから外へ出た瞬間に自然と出た言葉だ。
温泉に入った瞬間に思わず出てしまう、あの大きな吐息と共に体を伸ばせば、吐息はどこまでも伸びて声になっていく。最高に気持ちよかった。
この風、そしてこの広さがトロントの町に心の安らぎをもたらし、それがそこに住む人々の優しさを生み、心にゆとりを作り出し、ゆったりとした時間の流れの形勢に繋がっている。単なる仮説だが、そんなことを感じさせてくれる町がトロントだ。