昨晩はよく眠れましたか?
ウィル:うん、すごくよく眠れたよ。
じゃあ今日は元気いっぱいですね?
ウィル:そうだね、充電できたし。
初めての日本ですが、感想をそれぞれ聞かせてください。
ウィル:すごく好きだよ。テキサスよりずっといいね。都会なところや人がすごく好きだよ。
スティーヴン:街もきれいで、みんな優しいし、すごく楽しいよ。
Z:俺はイギリスより好きだな。ロンドンよりはずっと好きだね、お客さんもこっちの方がいいと思う。
サム:日本の人はみんな礼儀正しいし、優しいよね。
ファンと話す機会はありましたか?
ウィル:ライヴの後にミート&グリートをやったんだ。それに、会場を出た時もファンが1時間半ぐらい俺たちのこ
とを待っていてくれて、少し話したり写真を撮ったりして。
スティーヴン:テキサスだとそういうことはないんだ、みんな普通に俺たちのことを知ってるからね。そういうのを経験したのは初めてだったよ。すごく良かったよ。
私もオースティンにはよく行っている方だと思うのですが、地元ではどういう所でライヴをやっているんですか?
ウィル:そこら中にクラブがあるけど、アストロ・ホールほどいい所じゃないなぁ。でも似たような感じではあるね。
Z:うん、似たような会場だよ、でもオースティンはあまりサウンドが良くないとこが多いんだ。
ウィル:PAの機材が悪いんだよね。
オースティンではどのぐらいの頻度でライヴをやっているんですか?
ウィル:一週間に一回ぐらいかな?
スティーヴン:昔は本当によくやっていたけど、最近はそんなにやってないんだ。ただ練習を積んで仕事はしてるよ。
今まで合計で何回ぐらいライヴをやってきましたか?
ウィル:多分200回ぐらいだね。
21歳未満がライヴ・ヴェニューに出入りするとなると、色々エピソードもあるのでは?
ウィル:ライヴはやらせてもらえるんだけど、お酒を飲んだりはできないんだよね。
Z:あと友達が見に来れない。
ウィル:そうそう、友達が来れないからちょっと残念だよ。それに僕たちの場合、ファンも多くは21歳以下だったり18歳以下だからね。
スティーヴン:俺たちのファンはそんな具合に大体未成年の子ばかりだから、観客がほとんど入らなかったりすることもあるんだ。
ウィル:でも年上の人を相手にプレイするのもいいよ。ファンの層が広がるからね。
以前、ブラック・クロウズのギタリスト、リッチ・ロビンソンは「16歳くらいでバンドを始めた頃は、本番までクラブのキッチンに隠れていて出番になったらひょっこり出て行ったりしてた」と話していましたよ。
ウィル:俺たちもそれやるよ。こっそり入って本番だけやるんだ(笑)。オースティンは本当にいろんなバンドがたくさんいるから、未成年であることはあまり気にされないんだけど、ただ本番が終わってからそこで遊ぶことができないのは辛いなぁー。
Z:手に×が書かれちゃうから、それを洗い落としたりしない限りバーには行けないもんな(笑)。
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女の子のことで喧嘩したことってあったけ?
多分ないよね
確かイギリスでもライヴをやっていますよね?
ウィル:ロンドンでね。あと、アメリカでいうとダラスや南部のツアーもやったな。ルイジアナとかミシシッピに行ったよ。
運転は誰がするの?
ウィル:僕がするよ。一番年上だからね。長時間のドライヴで疲れることもあるけど、ツアーに出られることが楽しかったし、それだけのことをする価値があると思うからね!
ツアー中、狭い場所で長い時間を共有するとケンカもあるでしょう?
ウィル:たまに喧嘩はするけど、これ(音楽)が自分たちのやりたい事だからね。最後にはうまくいくよ。
ちなみに、何が原因で喧嘩するんですか? 女の子のこと?
スティーヴン:そう、女の子のこと。うそ、うそ(笑)。
ウィル:女の子のことで喧嘩したことってあったけ? 多分ないよね。
Z:俺と彼(スティーヴ)はすごくよく喧嘩するよ。どっちが先にシャワーに入るかとか、彼が汚くて俺はその後片付けをしたくないって思ったりとか。
スティーヴン:そうすると怒鳴り始めたりね。
さて、このたび完成したファースト・アルバム『ザ・ステップス』ですが、実際にはいつ頃から書いた曲が入っているんでしょうか? アルバムを作ろうと決めてから作ったんですか、それともライヴをこなしながら書きためた曲の中からチョイスしてつくったんですか?
ウィル:そう、もともと曲はたくさんあって、だからアルバムを作ろうということになったんだよ。
結成は2005年ときいてるんですが、間違いないですか?
ウィル:たまに喧嘩はするけど、これ(音楽)が自分たちのやりたい事だからね。最後にはうまくいくよ。
バンドをやり始めてプロとしてやっていけるかもって思った瞬間やきっかけは何かあったんですか?
ウィル:俺が高校出た時ぐらいかな。
スティーヴン:そうだね、みんなただこれで生活していきたいと強く思うようになって。
ウィル:本当にやりたいことはこれだけなんだ、それは全員に共通して言えること。
スティーヴン:これ以外のことはあまり考えなかった、少なくとも俺は他の選択肢は考えてなかったよ。
ウィル:全員の夢であって、今は実際にそれを叶える可能性がある感じなんだ。
スティーヴンもしかしたらって思ったのはイギリスに行った時かな。いや、それより前かな。
Z:そう、イギリスに行ったらプロデューサーと一緒にレコーディング始めて。
ウィル:フレンチーに会ったりね。
スティーヴン:それにマネージメントがついた時。マネージメントの契約をした時に本当に始まったという感じだったかも。
マネージメントとはどうやって知り合ったの? ライヴを観て声をかけてきてくれたの?
スティーヴン:一度練習を見に来たんだよね。俺はまだバンドに入って5日ぐらいだった。俺たちがいいかどうか見に来てて、俺は音楽も習ったばっかりだったし、結構やばかったと思うんだけど、どうだったんだろうね(笑)。
Z:でも練習が終わったら「君たちにマネージャーがついたよ」って言われたんだ。
スティーヴン:俺は高2で、ウィルは3年、残るふたりは高1とかで…。
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一番大人なのは
最年少のサムなんだ
今回のアルバムは今のあなたたちがありのまま出ていて、無理に飾ったりしていない。私はそこがすごく好きなんですが、このアルバムを作る時に何かしらの決めごとはありましたか? にこういう風にしようとか、もしくはこれだけはやめようよっていう決め事が。
ウィル:なんとなく出来上がったんだよね。特別に何かを狙っていたわけではないし、こういうアルバムにしたいという先入観もなかった、だって曲を書いた時はまだ幼くて、ただ「書いていた」というだけ。こんなアルバムにしたいとか将来を考えてたわけではないからね。なんとなくこうなったんだ。
初めてのレコーディングで戸惑ったことや、難しく感じたことは?
スティーヴン:ウィルの指が腫れちゃって。
ウィル:そう、病院に行かなきゃいけなくなったんだよ。指の爪にばい菌が入ったみたいで、ほら、まだちょっと大きいでしょ?
もっとこ〜んなに腫れてたんだよ。
Z:ちょうど彼のギターのパートをレコーディングする時になって指がふくらんで病院に行くことになったんだよな。
ウィル:スティーヴンに毒をもられたんだ。ギターのトラックを全部自分の手柄にしたくて(笑)。
演奏面やアレンジ面でもめたりしたことは?
ウィル:しょっちゅうだったよ(苦笑)。
スティーヴン:そうだね、よく喧嘩した。だって自分の中でこれだって決めたことを違う誰かが変えたいと言い出したら、あまりいい気はしないよね。でも何が一番良いサウンドかを考えて、大体いつもみんなで歩み寄ってるよ。
そういう時は誰が仲裁役ですか?
ウィル:サム。
スティーヴン:そうだね。
ウィル:彼は優しいんだ。He is very gentle.
一番年下じゃないですか?
ウィル:でも一番大人なんだよね。
一番子供っぽいのは?
ウィル:サム以外の全員。
そういえば、ライヴでストーンズのカヴァをーやってましたけど、他にはどんなレパートリーがありますか?
ウィル:モダン・ラヴァーズの「ロードランナー」。これはある日練習の時にやり出したもので、プレイするのも楽しいし、オースティンのお客さんも大好きだしね。レコーディングすることはないと思うけど、ライヴではやるよ。
レコーディングをするにあたって、この時期に重なってよく聴いたアルバムは何ですか?
スティーヴン:なんだろう。ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブかな?
Z:ブリトニー・スピアーズ(笑)。
ウィル: ローリング・ストーンズをよく聴いてたかな。曲は3年ぐらいの間に書かれたものだから、その間にも色々なものを聴いていたよ。でも1番と言ったら、やっぱりブラック・レベル・モーターサイクル・クラブだと思う。
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オースティンでは型からはずれたスタイルでやる人は少ないかも
ほとんどブルースかカントリーだし
ライナーを書くときに質問状を送ったのですが、その答の中に「オースティンは音楽をやるのにすごくいい場所だ。クラブもバンドもたくさんあって、ロックシーンも大きい。でも自分たちのことを本当に理解してくれる人は少ないんじゃないか」というのがありました。具体的にどういうことですか?
ウィル:ミュージシャンとしてはライヴをできる所がたくさんあるし、他のミュージシャンもたくさんいていいと思う、でもその反面、みんなその状態に慣れちゃっててあまり特別に感じられないかもね。
スティーヴン:それにオースティンではあまり型からはずれたスタイルでやる人は少ないかも。ほとんどブルースかカントリーだし。だからライヴに行くような人たちはそういう音楽を求めて行くんだ、俺たちみたいなイギリスっぽいサウンドのバンドじゃなくて。
ウィル:それにバンドがたくさんいて、さっき言ったみたいにプレイできる場所も豊富でいいんだけど、みんな少し甘やかされていると思うんだ。だからオースティンのバンドという風に決め付けられた中にいるだけで、なかなか外に出て人気を得たりすることができないんだ。
友達がダラスにいて、彼もミュージシャンなんですけど、彼はイギリスのロックがすごく好きで影響されている、キンクスとかフーとか。で、同じことを言っているのですが、ダラスを出るつもりはないと言う。あなたたちもオースティンを出るつもりはないでしょう?
ウィル:どれだけ真剣かにもよるよ。本当に音楽がやりたくて、自分が住んでいる場所でうまくいかないのなら、引っ越すべきだよ。でもダラスもオースティンもいい場所なんだ。オースティンは住むには最高だよ、ブルースかカントリーをやるならミュージシャンとしてもね。もし例えば東京なんかに来て音楽ができるならいいよね、でもそれでもオースティンは住むには良いところだと思う。すごくきれいだし。
将来的には、バンドとして大きな町に引っ越すかもしれないと思ったことがありますか?
ウィル:音楽をやりにNYに引っ越すことを夢見たこともあるけど、それもそれで普通すぎるかもと思うよ。状況によるよね、オースティンにはレーベルがないからそういう意味ではNYのほうがいいんだろうけど。でもバンドがどうなるかによるね。もしメジャーなレーベルと契約することになればどこへでも引っ越せるだろうし。でも今はオースティンにいて良い感じだと思うんだ。
アメリカは地方都市からいいバンドが沢山出てくることも事実。国が広い分だけいろんなパターンがあるとは思うのだけど、地方から出て成功しているバンド、音楽のタイプは違うにしてもそういう人たちの活動は励みになりますか?
ウィル:そうだね。カンザスとかそういう州から来ていたりするバンドってことでしょ? でもかっこいいバンドがいて、いい曲を書いていたらどこに住んでいてもいずれ発見されるものだと思うんだ。住んでいる場所は関係ないよ。まぁ、NYに住んでればきれいなクラブでいいバンドと一緒にできたりするのかもしれないけど。でも僕たちとしてはオースティンにいるのが最良だと思う。
自分たちの音楽の中にテキサスらしさとかオースティンらしさってあると思いますか?
ウィル:そうであることを願ってるよ。だってオースティンに住んでいるわけだし。僕たちはブリティッシュ・バンドなんて呼ばれるべきじゃない、あくまでもアメリカン・バンドだから。
全ての曲に対して誇りをもてるような
素晴らしいアルバムを作りたいな
最近特に気に入って聞いている音楽を教えてください。
ウィル:ビートルズ。
Z:キングス・オブ・レオン、ストロークス、オアシス、ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ
ウィル:そんなに良いわけではないけど、最近ライアン・アダムスをよく聴いてる。あとカントリー・ミュージックも。グラム・パーソンズやタウンズ・ヴァン・ザントも。それにキングス・オブ・レオン、ウェイロン・ジェニングスとか、昔のアーティストでいうとエルヴィスとかローリング・ストーンズ。
グラム・パーソンズやタウンズ・ヴァン・ザンドを聴くには年が若すぎると思うんですけど、どうやって発見したんですか?
ウィル:どうやって発見したのかもわからない。もしこういうタイプの音楽をやる新しいミュージシャンがいたら、同じぐらい興味があると思うんだけど、これ以外に好きな曲を書く人がみつからないんだよね。彼らは本当に素晴らしい曲を書いていたと思う、僕はカントリーも好きだし歌っている曲のストーリーが好きなんだ。カントリーもフォークもそうだけど、ストーリーがあるんだよね。そういう意味ではボブ・ディランも好きだよ。
そもそもみんな音楽好きの家庭に育ってるんですか?
ウィル:そうだね、でも誰もミュージシャンではないよ。
スティーヴン:俺の父親はギター弾くよ。
Z:俺の両親は何も弾かない。でも音楽は大好きだし、多分俺たちもそれに影響されたのかな。
ウィル:僕は父親の影響でザ・クラッシュが大好きになったりしているよ。
ご家族は、あなたたちがまだ10代でロック・バンドのメンバーになって、おまけに日本まで来て、中には学校もまだ卒業していないメンバーがいるということに、不安や心配は抱いていないのですか?
Z:お酒を飲んだりとか? タバコを吸ったりとか? 心配してるよ(笑)。
スティーヴン:少しは心配してると思うけど、でも本当に俺たちのこと誇りに思ってくれてると思うんだ。それに、親は知らないから。俺がお酒飲んでもタバコ吸っても気にしてないよ、知らないからね。いや、時々は知ってるのかな。
ザ・ステップスとして今後目指したいこと。こういうバンドになりたい、こういうアルバムがつくりたい、バンドとしてこういうことがしたいという目標や夢があれば教えてください。例えばダブルアルバムの2枚組みを作りたいとか、そういうのでもいいです。武道館ライヴとか、オースティン・シティ・リミッツのヘッドライナーやるとか、なんでも(笑)。
ウィル:どれも最高だね。でもダブル・アルバムを作ったりとかは考えたことないけど。
スティーヴン:でもオアシスみたいな感じで活動できたらいいな。好きなようにやって。それでいて彼らはすごい成功してるし。
ウィル:そうだね、俺たちも成功したい。ただ音楽で生計がたてられるようになりたいんだ。お金のことはどうでもいいけど、これで自分の生活を支えていければ。
スティーヴン:音楽で生きていければね。
ウィル:かっこいい車やきれいな家が欲しいわけではないんだ、そんなのはどうでもいいんだけど、音楽やってるの大好きだし、これを続けていきたい。
それをかなえるために必要なものは何だと思いますか?
ウィル:アルバムを作る。
スティーヴン:一生懸命働く。
Z:本当にうまくなるにはすごい努力が必要なんだってことがわかったんだよね。しばらくは音楽作って、楽しんで、今でももちろんプレイするのは楽しいんだけど、同時にいいバンドでいるためには常に努力しなければいけないんだってことがわかった。
ウィル:全ての曲に対して誇りをもてるような素晴らしいアルバムを作ることかな、このアルバムはまさにそれができたと思ってるよ。でも一年間落ち着いて曲作りだけをして、次から次へと曲を書いてみんなが好きになるようなレコードが作りたい。なおかつヒット曲があったらかっこいいよね。