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Interviews

TAPES N'TAPES テープス・エン・テープス


インタビュー

 一風変わった名前のテープス・エン・テープス。今年のSXSWでは早くも「2006年の目玉新人」と注目を浴びていたミネアポリス産4人組だ。きっかけはインターネット。昨年リリースしたアルバムが、ネット上の音楽サイトで好評を得るや、噂が噂を呼んでここまできた。かのSNS<My Space>では、アークティック・モンキーズ同様、インディ・バンドの人気投票1位に輝いたほど。だからといって、彼らが実のない、ネット上バンドだと思ったら大間違いだ。知性を感じさせるごった煮ぶりは、小気味よく聴く者のツボを刺激する。12月に決定している初来日公演に先駆けて、フロントマン、ジョシュのインタビューをお届けしよう。

インタビューの前にご覧になることをお薦めしようかな、どうしようかな…。
アメリカでは70万view を超えた、必見!爆笑映像!!
http://www.youtube.com/watch?v=Upq5u1ITILU
そして、2006年12月の初来日公演では、こーんな企画も実現されちゃいます。
http://www.creativeman.co.jp/index.html


あなたはカレッジ卒業後に友達とミネアポリスに移住した、と雑誌の記事で読みました。もともとの出身はどちらですか?
ジョシュ:もともとの出身はオレゴン州ユージーン。

なぜミネアポリスに住もうと思ったのでしょうか? ミネアポリスに行った動機の中には、かの地の音楽シーンで活動したい、という望みがあったのでしょうか?
ジョシュ:ジョシュ:大学を卒業して、ミュージシャンになれるかとりあえず試してみたかったんだ。通っていた大学がミネアポリスより48キロ北へ行ったところにあって、一番近くて大きな街がミネアポリスだったんだ。大学にもよくミネアポリスからのバンドがライヴをしに来ていたし、ミネアポリスへ行けることをすごく楽しみにしてたのさ。

初めて手にした楽器は何で、何歳の時でしたか?
ジョシュ:初めて手にした楽器はフルートで、7歳の時だった。母親に言われて始めたんじゃなくて、自分でやりたいって決めたことだったな。一歳半上の兄がピアノを習い始めて、それがうらやましかったんだよね。自分も何か習いたいって思って、友達でちょうどフルートを吹いてた子がいたから、僕もフルートにしたんだ。今は時々しか吹かないけど。でも、13年ぐらいはずっとやっていたよ。ギターを始めるまではね(笑)。

では、バンドを初めて組んだのはいつで、どんな音楽を演奏していましたか?
ジョシュ:初めて組んだバンドは高校の時で、仲の良い友だちと3人で始めたものだった。殆どふざけてやってたし、曲も半分ジョークのような歌詞だった。アコギとドラムしかいなかったし。どっちかっていうとロックになるのかな。

真剣に、「将来はミュージシャン」を意識したのは、いつ頃のことだったか覚えていますか?
ジョシュ:楽器を初めて手にした子供の頃からミュージシャンになれたらいいな、とは思っていたよ。でも実際にそれが可能だって実感できるようになったのはこの1、2年だけどね(笑)。今はすごくワクワクしてる。

現在のメンバーと知り合ったいきさつを教えてください。
ジョシュ:キーボードのマットがバンドを始めた本人なんだけど、ずっと昔にベースをやるように僕が説得したことがあった。彼とは大学の友人を通じて知り合ってるんだけど、僕がミネアポリスで初めて親しくなった人でもあるんだよ。ベーシストのエリックは、マネージャーのケリーと大学からの知り合いで、ドラマーのジェレミーは、もともと彼の兄貴と僕が知り合いで、バンドのドラマーを探してる時に紹介してもらった。そんな感じで、すんなりと今のメンバーが集まった感じだね。

メンバーの年齢は皆さん、近いのですか?
ジョシュ:結構年齢層がマットは僕と同じ年なんだけど、ジェレミーはもっと若くて19歳。エリックはもうちょっと年上で33歳幅広いよね(笑)。

アルバム「THE LOON」のクレジットを見ると、マットとエリックはまだ正式メンバーではないように見えるのですが、今の4人でTNT、となったのはいつ頃ですか?
ジョシュ:エリックはあのアルバムのプロデュースとレコーディングを手掛けているんだけど、ベーシストとしてバンドに入ったのは、今年の4月の始め頃かな。最近だよね。マットは最初のEPを作った後にシアトルへ1年間行っちゃって、彼がいない間の6月に「THE LOON」をレコーディングしたんだ。確か8月か9月にマットが戻ってきて、友人だし、またキーボードをやらないかって誘ってみて、再びメンバーに加わったんだ。

また同じく「THE LOON」のクレジットには、tapes、N’、tapesという3人の!?メンバーがクレジットされていますが、この種明かしをしてもらえますか? 最初にtapesはあなただとして、もうひとりのtapesはジェレミー?ならば、N’は、誰?メンバーの年齢は皆さん、近いのですか?

ジョシュ:今のところマットとエリックが二人ともNになる。前はスリーピース・バンドだったから、ベーシストがいつもNだったんだけど。いまは4人いるから、マットとエリックの二人がNになるんだよね。

そもそも、TNTというバンド名はどこから来たのですか?ドラム演奏にテープを使用していたから、という話もありますが…。
ジョシュ:いや、実際にはテープじゃなくて、CDを使ってたよ。TNTという名前は、バンドよりも実は先にあったんだ。マットと僕の共通の友人でスティーヴっていう奴がいるんだけど、彼と一緒にアドリブでセッションをレコーディングしたことがあって、タイマーを設定しておいたんだ。ダラダラと同じ曲を弾かないようにある程度の時間が経つと鳴るようにね。二晩か三晩そんなことをやり続けて、気付いたらテープが幾つもできあがってた。それでTNTっていう名前はどうかな?って話になったんだよね。バンドを組む前に、tapesntapes.comのドメインを取得して、ウェブサイトも自分でデザインした。ウェブサイトができたから今度はバンドを作らなきゃって思ったんだ。

TNTというバンドを始めた時、どんなバンドになりたい、とか、どんな音楽を作りたい/演奏したい、と思っていましたか?
ジョシュ:基本的には、自分たちがやりたいことをやりたかった。僕が好きなバンドもみんな音楽的な制限を自分達に押し付けることなく、ファンクをやりたいんならファンクを、ロックをやりたかったらロックを、突然クラシックをやりたかったらクラシックをやるっていう感じのバンドばかり。僕たちも色んなことを楽しみながら試してみたかったんだ。

その頃、将来的な展望はどのように思い描いていましたか? もしくはバンドで食べ続けて行くことは考えていなかった、とか?
ジョシュ:う〜ん、そうだね...どんな仕事につくっていうはっきりとした展望はなかったけど、数学の先生になることは考えてた。大学で勉強していたことだし、とりあえず5年だけ音楽を頑張ってやってみて、ダメだったら数学をもっと勉強しに大学院へ戻ろうと思ってた。でもラッキーなことにミュージシャンとしての活動がいまは順調だけど(笑)。

私は、今年のSXSWで初めてあなた達のことを知りました。シカゴのインディ・レーベルで働く友人に「絶対キミは好きなはずだ!」と断言されてライヴを観に行ったのですが、あの時すでに「TNTはいいバンド」という空気がそこら中にあったと私は思っているのですが、それはやはり巷で言われているようにインターネットの力が大きく影響してのことだったのでしょうか? 具体的に、あなた達は何をして、そこで何が起こったのか教えて頂けますか?
ジョシュ:インターネットのお陰で色んな人に僕たちの音楽を聴いてもらうことができたから、その影響はすごく大きいよ。自分たちで作った作品を去年の11月にミネアポリスでリリースして、ほんの数日後には既にネット上で反響があった。ピッチフォークも良いレビューを書いてくれたし、その他のオンライン・サイトを通じて僕たちの存在と音楽が広められた。インターネットがなかったら、もしかしてミネアポリスにいる僕たちのことなんか、誰も知ることはなかったのかも(笑)。

SXSWのショウは各方面で絶賛されました(もちろん私も楽しみました)。トロントのフリーペーパーでも「今年のSXSWで良かったバンド・リスト」の筆頭にあなた達の名前をみつけましたが、出演する前から、いい評価をもらえる自信はありましたか?
ジョシュ:そんなことないよ。何を期待していいのかも全然わからなかったし。メンバーの中でSXSWへ行ったことのある奴も誰もいなかったし、行けるっていうことだけで僕たちは興奮してた。いいパフォーマンスができればいいって思ってただけ。8回か9回ステージに立ったんだけど、観客がちゃんと始まる前から集まってくれていたし、ステージの間も楽しんでくれてるようだった。反応はよかったよ。

SXSWで演奏した後、凄い数のレーベルと話をしたと思うのですが、XLと契約した「決め手」は何だったのでしょうか?
ジョシュ:実際のところ、SXSWへ行く前から既に幾つかのレーベルに絞っていたんだ。その中でもXLとは結構何度も会って話をしていた。今年の1月にニューヨークへ行った時に色んなレーベルの人たちと実は会っていて、XLもその時に初めて話をしたレーベルだった。XLには色んなタイプのアーティストがいて、みんなが自由に作品作りをしているのにすごく惹かれた。それにスタッフがみんないい人たちばかりで、僕たちとも気が合うし、一緒にうまくやっていけそうな感じがした。

自ら契約の話をして、契約が決まって、イギリスにもツアーをしに行き、そして今回のように海のこっちでもリリースが決まって電話インタビューに応じている。この数ヶ月間の変化たるや大変なものだったのではないか、と想像するのですが、実際、渦中の人物としてはどんな感じなのでしょう。山のような取材など楽しめていますか? 他のメンバーは、どうですか?
ジョシュ:みんな結構冷静に受けとめていると思う。人間として何かが変わった訳じゃないし。ツアーは初めてだし、毎日忙しいけど、それは良いことだと思ってるし、色んな人との出会いもある。ものすごい機会を与えられ、例え仕事であっても、僕たちが望んでいたことだからみんな嬉しく思ってるよ。

話が多少重複しますが…。05年のアルバム「THE LOON」が今回XLから再発売という形になり、日本でのデビューも決まりましたが、このアルバムを制作したのは昨年6月とのことですでに1年以上が経過しているわけですが、今このアルバムを振り返ってみて、やりたいことは充分にやり遂げた作品だと思えますか?
ジョシュ:もちろん大満足だよ。作った時は、自分たちが納得のいく作品を作りたいって思っていただけで、世界的にリリースされるような作品になるなんて想像していなかった(笑)。とてもエキサイティングなことだよね。

すでに、次の作品用に曲を作りためることもしていますか?
ジョシュ:もちろん大満足だよ。作った時は、自分たちが納得のいく作品を作りたいって思ってもう何曲かできてる。ずっとツアー中だから、オフがもらえれば、早くライヴで演奏できるように曲を仕上げたい。アイディアは色々あっても、観客の前でやるにはまだちゃんとした形になっていないから。

あなたを曲作りに向かわせる1番のモチベーションといったら、何でしょう? どんな時に曲が作りたくなりますか?
ジョシュ:う〜ん...僕にとって曲を書くことは、身体に溜まった緊張をほぐす方法なんだ。部屋にこもってギターを一人で弾くことが大切なのに、それが数日できないとストレスがたまっちゃう。だから曲作りは僕にとってストレスをなくす方法であって、心をほぐしてくれる。あと、曲を書いていること自体がモチベーションになってると思う。曲作りをしていると、どんどんモチベーションが高まっていくんだ。

あなた自身が影響を受けたアーティストして、フレーミング・リップス、ビートルズ、ワイアー、ウィルコ、そしてスプリングスティーンの名前を挙げているのを見ました。マットも「人生を変えたアルバム」でに「Born In The USA」を挙げていますが、スプリングスティーンのどんな所に惹かれ、影響を受けたのでしょうか?
ジョシュ:そうだな...スプリングスティーンは僕が初めて間近で見たロックスターなんだ。7歳ぐらいの時に南西部の何もない場所を家族と旅行してる時に、そこら辺にあるような店に入ったんだ。そうしたらスプリングスティーンがいた。でも僕は緊張して、なんか邪魔しては悪いかなって思ったのを覚えてる。でも確か彼の肩をたたいて、「こんにちは、あなたのファンです」って言ったんだ。挨拶するだけで精一杯だったような気がする。6歳の時にいつも「Born In The USA」を聴いていたから、両親にレコードプレイヤーの使い方を教わったぐらい聴いていた。スプリングスティーンは僕に会ったことなんて忘れちゃってるけど、僕はよく覚えてるよ。確かネオングリーンのTシャツを着てた(笑)。

自分の音楽の趣味や嗜好を分析して、あなた自身、どのような音楽を好きになる傾向があると思いますか?(例えば歌詞が深いとか、サウンドがシンプルとか) またそれは、あなた自身が作りたい、目指したいと思っている音楽と一致しますか?
ジョシュ:わかんないな...僕にとって何よりも大切なのは、音楽そのものなんだ。ボブ・ディランのような意味深い歌詞はすごいって思うけど、個人的には、音の方が先に入ってくる。何度か同じ曲をくり返し聴くとやっと歌詞が入ってくる感じだし、いつも音に先に興味を持つ。音の方がすんなりと入ってくる。僕も先に曲を作って、レコーディングする直前に曲の雰囲気に合った歌詞を書いてる。自分が好きな音楽と、自分が作ってるものはそういった意味では一致するのかも。

他の3人のメンバーに関して、ひとことずつ、どんな人で、どんな音楽が好きで、バンド内ではどんな役割(担当楽器という意味ではありません)を担っているか教えてください。
ジョシュ:それは難しいな...気を付けないと怒られちゃうね(笑)。今、みんなで同じバンに乗って移動中だからすぐ隣に座ってるんだ。ドラマーのジェレミーはすごく元気で、彼に比べたら僕たちは年寄りみたいだけど、彼のお陰で元気に楽しもうって励まされる。マットは面白い奴で、ベーシストのエリックも面白くて、頭の回転が早くて、ミュージシャンとしての経験も豊富。みんな仲がいいし、どっちかっていうとみんなマッタリした奴等だよね。みんな大好きなバンドは共通してるけど、それぞれの好みもあるよ。ジェレミーはもっとノイズとかプログレが好き。僕は全然興味ないけどね。もっとパンクとかローファイなものが好きだな。マットはもっと質の高い曲を好んで聴くし、エリックはメロディがいい70年代のファンクとかが好きかな。バディ・マイルズとかね。

ミネアポリスからは、ボブ・ディランやプリンス、リプレイスメンツ、ハスカー・ドゥ、ソウル・アサイラム、ジェイホークスなどが出て来ていますが、現在の音楽シーンの状況はどんな感じですか? バンドが活動をしていくにはいい街だと思いますか?
ジョシュ:ミネアポリスの音楽シーンはものすごく幅広くて、色んなミュージシャンがいるんだけど、同時にお互いとても協力的なんだ。僕たちも最近French Kiss RecordsのThe Plastic Constellationsというバンドとライヴをやったんだけど、その他にもKill the Vulturesっていうヒップホップ・サウンドのバンドと、Stnnngっていうメタル調の要素があるバンドとも一緒にステージに立った。違うことをやってる色んな人たちが集まるっていうのはすごいことで、いわゆるミネアポリス・サウンドっていうものは存在しないんだと思う。お互いを刺激しあって新しいアイディアが生まれる。バンドにとっては本当にいい街だよ。色んな小さなライヴハウスがあるから、まだ無名の初心者バンドでもすぐにライヴができるし。僕たちもバンドを組んでからすぐにライヴができた。ミネアポリスへ超してから4年経つけど、冬はものすごく寒いし、夏はものすごく暑いんだ。快適な気候ではないのは確かだけどね(笑)。
テープス・エン・テープス/ベガーズ・バンケット・ジャパン公式サイト


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