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Special Features

AF流、音楽映画入門

『グローバル・メタル』

8月23日(土)よりアミューズCQNにてレイトショー!!
秋、シネマート心斎橋にてレイトショー!

特別取材:『グローバル・メタル』監督に聞く

「なぜメタルは嫌われるのか?」を検証するドキュメンタリー・フィルム『メタルヘッドバンガーズ・ジャーニー』で注目を浴びたサム・ダン&スコット・マクフェイデン両監督の第2弾作品が、間もなく公開されます。公開に先立ってプロモーションの為に来日した両監督に、ロック・フォトグラファーであり、かつてヘヴィ・メタル専門誌『BURRN!』のデザイナーでもあった畔柳ユキさんが直撃。メタルを理解すればこそ、日本の“奇妙なメタル・シーン”には疑問も多いと語るユキさんと、自らメタル・フリークを自称し世界のメタラー達と接して来たふたりの監督。果たしてどんな会話が交わされたのでしょうか。


サム・ダン&スコット・マクフェイデン インタビュー
by Yuki Kuroyanagi
へヴィ・メタルという音楽には何かに対しての反逆心というのが
根底にはあるんだけど日本にはそれがなかった


 このALMOST FAMOUSEの読者には縁遠いと思われるジャンル、へヴィ・メタル。しかし、今回紹介するメタル映画『グローバル・メタル』は、単なるへヴィな爆音垂れ流しの映像ではない。
 ふたりの監督サムとスコットは、前作『メタルヘッドバンガーズ・ジャーニー』で「なぜへヴィ・メタルは嫌われるのか?」をテーマに映画を制作し、自身も好きだというへヴィ・メタル・シーンとその状況の有り様を追究し、答を出してきた。そして今作では「悪評高き音楽へヴィ・メタルは世界のカルチャーにどのような影響を与えたのか?  へヴィ・メタルはグローバルな存在になりえたのか?」を探る為に日本を含むアジア諸国や中東に出向き、多くのメタル・ファンと接触し現状を捉えている。そこに描かれていた内容は、単なる爆音サウンドのドキュメンタリーではなく、へヴィ・メタルという「特殊な音楽」が各国の問題や宗教、人種と交わりながらもがき、力強く存在しようとする興味深い視線によるものだった。
 では、日本の事情はどうなのか?  グローバル化の一員になれるのか?  今作の中で描かれている日本のメタル・シーンには、なんとなく迷いがあるように見えたと伝えると、彼らはこう言った。
 「今回多くの国を訪ねて、短い滞在の中でそれぞれのHMシーンを把握しなければいけないということは、自分たちにとってチャレンジのひとつだった。その中でも日本を理解するのは特に難しかったよ。映画の中でも描いているように、へヴィ・メタルという音楽には何かに対しての反逆心というのが根底にはあるんだけど、日本にはそれがなかった。それをどうにか見つけたかったけれど結局出来なかったし、正直日本に関しては未だに理解できない部分でもあるんだ」(サム)
 映像に残された迷いこそ、実はリアルな日本の姿なのだろうか?  そして日本はグローバル化のはみ出し者なのだろうか? 
 「グローバリゼーションって、大きな国の文化にみんなが飲み込まれちゃうのが通常なんだけど、飲み込まれた国の人が作り出すものにまた飲み込まれるというか、日本のアニメがそうだと思うんだけど、逆グローバリゼーションというか、そういうのが存在してもいいんじゃないかな。日本人はそういうのが凄くうまいと思うし。だから僕は日本人が作り出すへヴィ・メタル・シーンやバンドもそういう意味じゃ可能性はあると思うよ」(スコット)。
 日本のヘヴィ・メタル・ファンはジャンルへの帰属欲求が強い。そこに存在価値を見いだし、それを理解しないものとは交わろうとせず、むしろ閉鎖的な世界いることにより、外部から邪魔されない安心感を得ているように見える。これは他の国も同じなのだうか?
 「自分の育ったカナダでも少なからず似たような要素はあるし、様々な問題も抱えている。だからこそへヴィ・メタルが必要になるはずだけど、その理由が日本のファンには当てはまらないんだよ」(スコット)。
 今作の中で描かれている日本は「グローバル・メタルではない国」だった。問題意識も人間関係も希薄で鬱積が渦巻いたままの日本。そのはけ口がへヴィ・メタルを聴くことだったら、日本の描かれ方も少しは違っていたのだろうか? 答は見つからなかったけれど、この映画がへヴィ・メタルというフィルターを通して、日本の持つ問題点を浮き彫りにしたことは確かだ。それと同時に無意識の中でオリジナリティを生み出す行為が日本人ならではの創造力なのかもしれない、ということに思い至った次第である。


INFORMATION
ドイツの田舎村に存在する世界で最も成功を遂げたヘヴィメタル専門レコード会社“ニュークリア・ブラスト” のどかな村に粗野なヘヴィメタル・シーンが共存するシュールな光景が、この村では市民の生活の一部として自然に溶け込んでいるーーもう1本のメタル映画「Heavy Metal in the Country」も9月27日(土)より、東京シアターN渋谷にてレイトショー ! 興味のある人はその映像と音のアンバランスな共存をお楽しみください。
http://www.amuse-s-e.co.jp/metalmura/

グローバル・メタル
http://www.amuse-s-e.co.jp/globalmetal/